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閉鎖の松下・甲府工場取得

2008年3月26日



 電子部品製造のコイケ(山梨県中央市、小池光社長)は25日、松下電器産業と甲府工場跡地の土地・建物を取得する契約を結んだ。製造設備を入れ替え、本社と生産拠点を全て移転する。取得費用は改修費を含めて19億円。工場床面積を3.7倍に広げ、新世代DVDの駆動装置用水晶部品などの生産を増強する。5年後に売上高を前期比2倍の80億円へ伸ばす。

 山梨県昭和町の国母工業団地内の役47,000平方bの敷地と、延べ床面積約24,000平方bの工場を6月末までに松下から取得する。移転すると敷地は5.7倍、工場3.7倍になる。5月にも改修工事を始め、10月からの操業を目指す。

 新世代DVDの規格が松下やソニーの手掛ける「ブルーレイ・ディスク」方式に一本化され、第2の柱の位置付ける駆動装置用水晶部品の受注が急増。主力の携帯電話用基盤の需要も膨らんでる。工場を早急に拡充するため大規模な土地・建物の取得に踏み切った。

 大型製造装置を据えるため、1階の高さが6b以上あり大量の電力使用が可能な点も魅力。「内部改修だけで20年〜30年は使える」(小池社長)と判断し、土地・建物の一括取得を申し入れた。分割取得を提案する企業があったもようだが、一括売却を望む松下は最終的にコイケに決めた。

 3年前に移転先を探し始めた時点では「これほど大規模な工場は想定していなかった」(同)。昨年2月に松下の甲府工場閉鎖を知り、仲介役の山梨県に取得意欲を伝えた。取得費用は借入金で賄う。金利負担で「今後3年は厳しい経営を迫られる」が、将来の市場拡大をにらみ先手を打つ。

 コイケの2007年3月期の売上高は前の期比24%増の40億1千円。主力製品の携帯電話用基盤、タンタル酸リチウムウエハーは「世界シェア6割」(同社)を誇る。本社工場は移転後の10月以降売却する。

「2008年3月26日(水) 日本経済新聞 より転載」