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コイケ、水晶部品を生産−来春に量産体制整備−

2007年11月21日



 電子部品のコイケ(山梨県中央市、小池光社長)は次世代DVDの駆動装置(ドライブ)向けに水晶部品の生産を始める。ディスクの情報を読み取る光の波長を制御する部品で、製品の普及に伴い需要が拡大すると予測。水晶を薄く加工する技術が生かせると判断した。従来は携帯電話向けの基板が売上高の七割を占めており、次世代DVD関連を新たな経営の柱に育てる。

 生産するのは「ブルーレイ・ディスク」や「HD-DVD」などのドライブで使う「波長板」と呼ばれる部品。半導体レーザーでディスクの情報を読み取ったり書き入れたりする際に、ディスク表面から反射する戻り光の波長を制御するために使う。 縦横が数ミリで厚みが1ミリ以下と小型で、特に厚みについて誤差0.1マイクロメートル(マイクロは百万分の1)以内という加工精度が求められる。薄く加工した水晶に他の金属などをコーティングする成膜工程を経た上で、複数枚を重ねて完成する。
 現在はガラス製の波長板が多く普及しているが、情報の読み取りや書き込みの速度を上げるためには「高出力に対する耐性が強い水晶の方が優位」(小池社長)という。水晶製を造るメーカーは少なく、市場で高い競争力を発揮できるとみた。通常のDVDやCDの波長にも対応する三波長タイプも生産する。 水晶の薄型加工は既存の設備を活用する。約1億五千万円を投じて成膜工程の装置などを導入し、サンプル出荷を始めた。今期(2008年3月期)中に年間生産能力一千万個の体制を整えて、来期に五億円の売上高を目指す。同社の前期の売上高は四十億円強で、携帯電話関連が主力だった。
 次世代DVDドライブを搭載した機器は地上デジタル放送の拡大などに伴い、普及が加速する見通し。2010年には世界市場規模が年間一億台に達するという見方がある。

「2007年11月21日(水) 日本経済新聞 より転載」